19世紀後半から今日まで、アメリカの自動車産業はアメリカ中西部に集中しています。製造設備の大半は、ミシガン州とイリノイ州を中心として、インディアナ州、オハイオ州、ペンシルバニア州西部、そして北はカナダのオンタリオ州にまたがる地域に集中しており、この地域は一般的に「自動車回廊（auto corridor）」と呼ばれています。原材料が手に入りやすかった中西部は、自然と自動車産業の中心地となりました。過去20年の間にアメリカの自動車産業の集中化が進み、流通コスト削減のため、中西部に新しく建設された工場が太平洋・大西洋両岸に所在していた組立工場にとって代わりました。無駄がなく効率のいい流通プロセスが発達したため、納入業者が複数の組立工場に部品や原料をタイムリーに配送することが可能となりました。